2007年09月14日

C型肝炎について

国内では毎年約3万5000人が肝臓がんで亡くなっています。

肝臓がんの主な原因の一つが肝炎ウイルスに感染したことによる慢性肝炎で、その8割がC型肝炎であることがわかっています。

C型肝炎は大変怖い病気だと思われるかもしれませんが、
現在ではC型肝炎でもきちんと治療すれば、高い確率で肝臓がんを防げるようになっています。

むしろ今、問題なのは自分がC型肝炎であることを知らずに過ごしている人が、国内に約100万人もいるということです。

2007年09月13日

無症状のまま肝硬変・肝臓がんに進む「C型肝炎」

C型肝炎とはウイルス感染によって引き起こされる肝臓の炎症のことです。

C型肝炎ウイルスに感染すると通常、急性の肝炎が起き一時的に肝機能が低下しますが、約3割の人はからだに備わっている免疫力でウイルスを退治して病気は治ります。

しかし残りの7割の人は急性肝炎は治るものの、ウイルスを完全に排除できずに慢性の肝炎となります。

慢性肝炎では少しずつ肝臓が傷つけられて、やがて肝硬変に進行したり肝臓がんを引き起こしたりしますが、その間、自覚症状はほとんど現れません。

それがC型肝炎に気づかないでいる人がたくさんいる理由であり、肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれるゆえんです。

ただし慢性肝炎の進行スピードは非常にゆっくりしたものです。

50歳を越えるころから進行が早くなりますが、それでも一日一日と悪化するような病気ではありません。

ですのでC型肝炎と診断されてもあわてる必要はなく、病気のことをよく理解して、そのひとに合った治療を続けていけばよいのです。

2007年09月12日

C型肝炎の診断方法について

1.抗体検査で感染の有無をチェック

血液検査で血液中にC型肝炎ウイルスに対する抗体(HCV抗体)があるかどうかを調べます。

抗体とは体の中に侵入した異物を体がしっかりと認識したことを示す物質です。

結果が陽性なら、以前にウイルスに感染したことがあるという意味です。

2.ウイルスが今も体の中にいるかどうかを調べる

HCV抗体検査が陽性と出ても、今も体にウイルスがいるとは限りません。

免疫力ですでにウイルスが排除されている人もいます。

そこで抗体検査が陽性の人はウイルスが体に残っているかどうかを調べる検査(HCV−RNA定性検査)を受けます。

それが陽性の場合に、現在もウイルスに持続感染している、つまりC型肝炎のキャリアだと判定されます。

3.治療の必要性を判断する

ウイルスに感染していても肝炎ではない「無症候性キャリア」の人もいます(抗体が陽性の人の約4割)その場合はすぐに治療を始める必要はなく、定期的(3〜6カ月おき)に検査を受て、肝炎が起き始めたとわかったときに治療を開始します。

肝炎が起きているかどうかは、GOTやGPT(最近はAST・ALT)などの検査で確かめます。GOTやGPTは肝臓の酵素で、肝炎により肝臓の細胞が壊されたときに血液中に流出します。

4.肝炎の進行段階や肝臓がんの有無を確認する

GOTやGPTでわかるのは検査時点の肝臓の炎症の程度だけで、肝炎の進行状況はわかりません。

そこで血小板数(肝炎の進行とともに少なくなる)やヒアルロン酸の量(進行とともに多くなる)超音波、CTなどの画像診断、肝生検(肝臓のごく一部を取り出して顕微鏡で観察する)といった検査を行い、病期(どの程度肝硬変に近づいているか)や肝臓がんの有無を調べます。
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2007年09月11日

C型肝炎の診断方法について〜その2〜

5.C型肝炎の病期の分類

C型肝炎では病気の程度(F分類)によって、がん発生率をある程度推測できます。

病期 10年間での推定発がん率 血小板数 ヒアルロン酸値

F0〜F1  5%未満 18万以上 40以下

F2   10% 15万以上 70以下

F3   30% 13万以上 100以下

F4(肝硬変) 70% 12万以下 150以上

6.ウイルスの量とタイプを調べる

C型肝炎の治療が必要な状態であれば、ウイルスの量とタイプを調べます。

ウイルスの量が多ければ、その排除に時間がかかるであろうと予想されます。

またウイルスには排除しやすい(治療しやすい)タイプとそうでないものがあり、治療法を決める判断材料になります。

ウイルスの量はHCV−RNA定量検査(またはHCVコア抗原検査)でタイプはHCVゲノタイプ(またはセロタイプ)検査などでわかります。
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2007年09月10日

原因療法と対症療法

C型肝炎の治療の目的と方法は病状や年齢などを考慮して決められます。

C型肝炎の治療には大きく分けて原因療法と対症療法があります。

原因療法はウイルスを体から完全に排除することを狙った治療で、成功すれば病気の進行は停止し、正常な肝臓に向けて改善していきます。

対症療法は、ウイルスは排除できなくても肝臓の炎症をできるだけ抑えて病気がなるべく進まないように管理し続ける治療のことです。

どちらの治療を選ぶかは肝炎の病期、ウイルスのタイプや量、患者の年齢や健康状態などさまざまな要素を考えて決めます。

医師の説明をよく聞き、治療法についての希望があればしっかり伝え、納得した上で治療を始めましょう。

2007年09月09日

C型肝炎の治療薬インターフェロンについて

原因療法にはインターフェロンが使われます。

インターフェロンのほかにはウイルスを排除できる薬はありません。

インターフェロンは元々、ウイルスに対抗して体内で作られる物質です。肝炎の治療には人工的につくったインターフェロンを大量に注射し、ウイルスの増殖を抑えます。

インターフェロンの治療中にはHCV−RNA検査で薬の効き目具合を確かめます。

検査の結果次第では治療法や治療期間を変更することもあります。

最終的にインターフェロン中止後もHCV−RNA定性検査で陰性が続けば、C型肝炎が完治したということです(治療終了から6カ月目で判定します)

完治する確率は従来は3割程度でしたが近年はリバビリンという新しい薬が使えるようになったこと、インターフェロン投与期間の保険上の制限がなくなったこと、ベグインターフェロンが登場したことなどから、治療成績がよくなり、7割越えるようになりました。

2007年09月08日

インターフェロンの副作用について

かぜをひくと熱が出たり、頭痛がしたり、体がだるくなったり、関節が痛くなったりします。

これはかぜのウイルスに対抗して体内でインターフェロンがたくさん作られるからです。

インターフェロン療法を始めるとほとんどの人にこれと同じような症状が現れます。

「インフルエンザ様症状」と呼ばれるこれらの副作用は、治療を始めた翌日から1週間前後続き、その後は比較的軽くなります。

このほか、一時的な脱毛、血糖値の上昇、白血球・血小板数の減少、眼底出血、甲状腺機能異常、間質性肺炎などの副作用があります。

治療中はつねに検査値や自覚症状から副作用をチェックして、程度によっては薬の量を減らしたり、場合によっては中止することもあります。

また一番知っておいたほうがよいインターフェロンの副作用は抗うつ気分が強くなることがある点です。

不眠や不安、焦り、イライラ感などがあれば、我慢しないで医師に相談したほうがよいでしょう。

2007年09月07日

新型インターフェロン「ペグインターフェロン」について

従来のインターフェロンは、体内で十分働くのは注射後の2〜3日ですから、退院後も週3回通院する必要がありました。

最近では、効果が長く続くように改良した「ペグインターフェロン」という薬が登場し、週1回の注射で済むようになりました。

ペグインターフェロンには、インフルエンザ様症状の副作用が少ないという特徴もあります。

その反面、血球系の副作用に注意が必要です。

・経口の抗ウィルス薬を併用する場合もある

インターフェロンの投与期間中に、リバビリンという飲み薬が処方されることがあります。

これは、インターフェロンの効果を増強する薬です。

おもな副作用は貧血です。また、胎児に影響することがあるので、治療中と治療後の半年は、女性だけでなく、男性の患者も避妊が必要になります。

2007年09月06日

インターフェロンを使用しないC型肝炎の治療法について

原因療法を行ってもウィルスを排除できなかったり、副作用でインターフェロンを使用できない場合に、またはインターフェロンの対応に当てはまらない患者さんなどは、病状や検査結果を考えたうえで、次のような対症療法で肝臓の状態をコントロールしていきます。

インターフェロンの少量持続投与

インターフェロンには肝臓の炎症を抑えて肝炎を抑える働きもあります。

その働きを利用し、対症療法にインターフェロンを使用する方法が近年普及してきました。

原因療法の場合はインターフェロンを大量に、期間を区切って投与しますが、対症療法では、少量を長期にわたって投与します。

インターフェロン以外の薬

ネオミノファーゲンCという炎症を抑える作用のある薬があります。

肝炎の時期にかかわらず安定した効果を発揮し、肝硬変に進行していても有効です。

ただし毎週3〜6回静脈注射を受け続ける必要があります。
またウルソという胆石の治療にも使われている飲み薬(熊の胆の主成分)が処方されることもあります。

肝臓の細胞を丈夫にして壊れにくくします。

瀉血療法

肝臓は鉄分を貯蔵する働きを持っていますが、C型肝炎の患者は鉄分が必要以上にたまっていて、それが肝臓の細胞を障害する物質を作り、病気に悪影響を及ぼすことがわかっています。

2〜3週間に1回200〜400mlの瀉血(血液を抜くこと)で肝臓の鉄分が減って、肝機能が改善します。

ただし、貧血などのためにこの治療法が不向きなこともあります。

2007年09月05日

C型肝炎治療のための暮らしの工夫

食べすぎを控えて適正体重を維持しましょう

以前は「肝臓病の人は高たんぱく高カロリーの食事を」といわれていました。

日本が貧しかったころはそれで正しかったのですが、豊かになった現在の日本でそのような食事をしていたら、肝臓に脂肪がたまり、逆に病気を悪化させてしまいます。

食べ過ぎに注意して、適正な体重を維持しましょう。

食後の安静や運動制限の必要はありません

同じように「肝臓病の人は食後安静にして、あまり運動しないように」とかつてはいわれていましたが、これもやはり、肥満や、脂肪肝の原因となるのでよくありません。

適度な運動が必要です。

C型肝炎治療の判定方法について

C型肝炎の治療がうまくいっているかどうかは、GOTやGPTの数値で確かめます。

検査でいつもGOTやGPTが正常に近い状態(40〜50IU/L以下)になっていれば、

肝炎はよくコントロールできているということで、肝硬変や肝臓がんへの進行、発病を抑えられます。

2007年09月03日

食事について

レバーなど鉄分が多いものは控える

以前から”からだによい”といわれている食べ物のなかには、鉄分の多いものが少なくありません。

レバーなどはその代表です。

瀉血療法のところでお話したように、過剰な鉄分は肝臓に負担がかかりますので、鉄分の多い食事はなるべく控えめにしましょう。

アルコールはきっぱりやめ、かわりにお茶を飲む

よく知られているように、アルコールは肝臓に良くありません。

実際、C型肝炎でお酒を飲む人は、飲まない人に比べて病気の進行が早いことがわかっています。

「適度の飲酒ならよい」わけではありません。

きっぱりと断酒しましょう。かわりに鉄分の吸収を抑えてくれるお茶をたくさん飲むことをおすすめします。